みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

インドネシアのコスプレイヤーがすごい

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ジャカルタは通年気温が33度くらい。「暑くないの?」という問いに対して、「キャラになりきってるから暑くない」という熱い答えが返ってきた

もう1カ月近く前の話になりますが、首都圏を中心としたアニメファンのコスプレイヤーがジャカルタの中心部であるホテル・インドネシア前ロータリー付近で募金活動をしていました。彼らのほとんどは10代の高校生。手作りやネットで購入した、黒いマントや長袖のコスプレの衣装を着て、手作りの募金箱を持ち町を闊歩します。
段ボール箱に手書きで書いた日の丸に「PRAY FOR JAPAN」の文字。即席で作ってくれたようです。お金をかけていないのが好感持てます。
コスプレをして人の目をひき、500ルピア(=5円)でも多く募金をしてもらう、というのが彼らのねらいのようです。
もちろん地元メディアにも注目されていました。
大手コンパス紙(http://megapolitan.kompas.com/read/2011/04/10/12130651/Satria.Baja.Hitam.Minta.Sumbangan

受け身の国・日本で行われる募金の多くは街頭に立ち声を張り上げ「おねがいしまーす!」と訴えるパターンが多いのですが、2011年で最も注目されるといっても過言ではないくらいアグレッシブな国・インドネシアは、車道に入り、信号待ちの車の運転手やオートバイの運転手に募金を呼び掛けたりもします。
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●信号が変わった後の様子。車線と車線の間に入り、募金を呼び掛けていた特撮モノのコスプレをしていた人)

さらにアグレッブな彼らは、公共交通機関に乗り込み、乗客に募金を呼び掛けるということもしています。
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●もともとこの国は、公共交通機関にいきなり人が乗り込んで皮むき機の実演販売を始めたり、強硬派イスラム教徒が反キリスト教行為をすべきだと説き始めたり、一曲ギターの生演奏とともに披露する人がいたり、目の見えないアピールをする人が喜捨を求めたり、いろんなことが起きます。写真=AntaraNewsより

先述のじゃかるた新聞によると、このコスプレ募金は合計5日間行われ、総額14万円相当集まったとのこと。
CIAが2010年に出したデータによると、インドネシアの一人当たりGDPはこの間2861ドル。日本は42514ドル。約20倍の開きがあり、日本円で考えると、5日の間で高校生ぐらいの年齢の若者80人が280万円集めたと計算できると思います。

結構すごいことなんじゃないでしょうか。
私の見聞が狭いだけかもしれませんが、わたしは日本で他の国のためにこのような募金活動を行っている十代を知りません。

改めて、インドネシアの人たちにありがとう(Terima Kasih,あなたの慈愛を受け取りました)という言葉をおくりたいです。