みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

「生きるため・身を守るための服」から「自己を表現するためのファッション」へ

 ここ数年、GDP成長率が約6%となかなかの勢いで伸び続けているインドネシアで、ファッション産業が「おもしろく」なってきています。これまで、安い人件費・技術などから生産地として注目を浴びてきましたが、人口2億3000万以上を抱えるこの国では、「おしゃれ」を楽しむ金銭的余裕がある中間層が増えてきて、消費地としての魅力を帯び始めてきました。今週末にはユニクロが、来年今年秋はH&Mが参入します。

 JETROの資料によると、インドネシアでは可処分所得(実収入から保険料などを引いた実質の生活費)が、2009年では約50万円未満の低所得者層が1億4000万人、約50万円以上ー150万円未満の下位中間層が7600万人、約150万円ー350万円未満の上位中間層が551万人。(注・1ドル=100円換算です)経済成長とともに全体的に所得が増え、低所得者は下位中間層へ、下位中間層は上位中間層にクラスアップしていくと予想されます。

 2015年には、下位中間層が1億3800万人、上位中間層が3340万人。2020年には上位中間層が7000万人になるとされています。

 

 それぞれの所得層はどんな服を着ているのか?3年住んだ私の感覚ベースでいきますが、ちょっと乱暴にまとめると、このようになります。

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 2020年にはある程度ブランドものの服を着れちゃう人が8000万人以上、いまの日本の人口の6割以上に相当する規模になると、大きな市場になると予測できるわけです。

 所得が上がり、「生きるため・身を守るための服」を着ていた人が、「自己を表現するためのファッション」を求めるようになります。日本のファッションは、果たしてインドネシアの求める「自己を表現するためのファッション」にフィットするのでしょうか?

 

(イラスト、なんかおかしいよ!って指摘など、コメント欄などからお願いします!)

*(H&Mインドネシア参入時期について、2014年でなく13年に訂正します。参照・英字紙Jakarta Post オンライン版記事-2013年6月21日修正)