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みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

勝ち組の「日本食」/フィリピンで日本食を教えるという海外ボランティアもあるよ!

ちょっと古いニュースですが、ABCクッキングがフィリピンの職業訓練校に和食の作り方を教えるプロジェクトをはじめるそうです。

フィリピンの職業訓練学校で“Washoku” 現地女性に向けた
「和食教育プログラム」を ABC クッキングスタジオがスタート
http://www.abc-cooking.co.jp/press/20140526.pdf

和食ユネスコ無形文化遺産認定に乗じた取り組みかなと思えば、もちろんそういう意味合いもあるんですけど、メイドさん向けの取り組みでした。誰が得するかっていったら、フィリピン駐在員と、フィリピン女性の主な出稼ぎ先であるシンガポールや香港に駐在している日本人ですね。

東南アジアの日本人コミュニティにおいて、日本食作れるメイドさんはかなり重宝されています。「日本食対応のメイドさん、通いで探しています」「本帰国が決まったので、うちのメイドさんの次の働き先を探しています。日本食一通りできます」というような、日本食をキーワードとしたメイドさん案件の張り紙を日本食スーパーなんかで見かけました。

これからジャカルタで日本人の人口まだ増えるのだから、このプログラムのように、日本食や日本の衛生感覚を教えるメイドさん養成機関なんかつくったら案外需要はあるかもしれません。
 
しかし、インドネシアであれフィリピンであれ、首都圏でメイドさんとして働いている女性は、かなり田舎の、電気が通っている時間より停電している時間が長いような地域出身の方が多い、と聞きます。 電気が通っていない地域=炊飯器、洗濯機、掃除機、冷蔵庫なんか見たこともない。もちろん使ったこともない、つまり使い方がわからない。
そういう文明レベルの違いでは、江戸時代からタイムスリップしてきた人と一緒に暮らすぐらいのギャップがあると思います。
 
そしてそんな子たちに、彼女たちにとって未知なる食べもの日本食を教える訳です。彼女たちにとって日本食なんてドラえもんのまんがの中で見たくらい。それくらい異世界のものです。
「うちのメードの作る日本食なんか味がおかしくて」そんなことを笑い話として披露するおじさんたちも結構見かけましたが、そりゃ日本食食べたことない人に日本食作らせる訳なんだから、そうなるのも仕方ないでしょう。
わたしたち日本人でたとえていうならば、なじみのないレバノン料理を2−3回食べさせられて、難解な調味料を適当に教えられただけなのに「明日から毎日レバノン料理作れ」といわれているようなものです。
 
そういうわけもあって、インドネシア人の日本食できるメイドさんは本当にすごい。恵まれすぎている現代の日本人には想像できないタイプの努力と「味覚との戦い」があるのだと思う。

そんなふうに、メイドさんたちがんばって日本食の作り方をおぼえてくれるのは、ただ単純にその方がペイがいいから。日本食に憧れがあるからとかじゃなくて、ただペイがいうから。経済力のある国の食文化は、無形文化遺産なんかに指定されなくても、その文化の持ち主である日本国民の経済力に支えられている間は生き残っていくのです。ある意味、日本食は世界の食文化の中で勝ち組といえるでしょう。少なくとも今は。
 

日本食を伝えるというボランティアもあるよ

ちなみにabc cooking のこのプログラムは、フィリピンに赴いて日本食を教えるインストラクター役を募集しています。
ボランティアスタッフ募集
<活動内容> 
和食教育プログラムの講師として、現地の方(女性)に和食のレッスンを行っていただきます。※事前技術研修あり 

 食という人間の根本を支える文化の接点に触れる、という点では、スラム街で日本語教えたり学校を建てたりするのとは違う体験ができそうです。
時期が許すならば学生さんなんかにいってみてほしいなあと思いました。