みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

自分がやりたいことに気付き、人生のコマを戻す勇気

Facebookで中・高校時代に親しかった友人と再会した。よくある話。

お互い家がそう遠くないこと、私が今住んでいるところに、彼女が3年前まで住んでいたということがわかった。そして本日、家に来てくれた。これもまあ、よくある話かもしれない。

そしてよくある話だが、「そういえば、あのひとどうなった?」という、共通の知人の噂話。その人について特に知りたいわけではないけれど、なんとなく話題になる、アレだ。

誰々が芸能界に入ってなんちゃらのCMに出たとか、誰々は司法書士受かって埼玉で見習い期間を過ごしているとか。

そこで、ある旧帝大に進んだ男の子の名前が出た。彼は高校の時から、物理学だか量子学だかを研究する学生グループに所属して、高校生ながらに学外でも評価されていた。その研究を、進学先でも続けるらしい。

私の出身高校からメーダイ以外の旧帝大に進学する人は珍しいため、彼の進路は学内でちょっと有名だった、と記憶している。

「彼ね、大学辞めたんだって」

「ええー!!!なんで!?」

よく聞く、理系の研究室のいびりとか、学内いじめとかと下種の勘ぐりをした。
ことごとくはずれた。

「大学3年くらいの時にたまたまあって直接聞いたんだけど」と彼女は前置きをし、

「『僕は本当は研究とかしたいわけじゃないんだ』って、大学を辞めたの。
そして本当にやりたいことということで、看護学校か大学かに入り直したらしいよ、3年遅れとかで。いまは、県内の市の病院で看護師として働いてるんだって」

素直に、とても感動した。彼の決意に、選択に、また家族のサポートに。

 

推測だが、彼はその研究分野で、高校時代からエリートだった。まわりから「すごいすごい」と評価され、そのままその研究分野に進めばヨシとされていたんだと思う。

そのエリート視されるポジションから「何か違うぞ」「僕のやりたかったことは、これか?」と気づけたことは相当幸運だったと思う。
そして、自分が築いてきたキャリアと自分の気持ちのずれを認める勇気、人生のコマを戻す勇気は、いずれも誰しもが持てるものではない。

その勇気を支えた家族もいたんだろうなあ。そういう親に、私はなりたい。

本当に明るい気持ちになれた話だったなー。

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