みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

読んだ本「消された一家」

北九州のこの事件は、「ザ・ノンフィクション」でこの夫婦の子どもが出るまでよく知らなかった。ウィキペディアなどでも事件の詳細が書かれているけど、一番わかる本として紹介されているこの本をようやく読めた。

恐ろしかった。結婚する前に読んでいたら「ふーん」で済んだけど、家族を持ってからより恐ろしく思えた。もしこういうのに絡まれて介入されたらどうしょう。子どもがこういう人にたぶらされたらどうしよう。

「学習性無力感」というのは恐ろしい。自分もサラリーマンをやっていたとき、そういうものに襲われていたので、すごくわかる。いい仕事をするということより、ずっと上司の顔色を伺って、早く帰れることだけ考えていた。

私は、松永太のような人に狙われたらすぐに崩壊してしまうだろう...。

緒方一家はそんなにも世間体が大事だったのか?...と不可解だったけど、この学習性無力感と、通電による思考停止状態というので納得がいった。

 

気になっていること。

・松永太の両親の現在、どういう環境で育てていたのか

・松永太は巻き上げた金を何に使っていたのか。

・松永太は家族を殺し合わせて、死体が身近にあるような生活で、楽しかったのか。

とくに3つ目。金を巻き上げたのなら、そのカネで豪遊するとか、もっと楽しそうな使い方がありそうな気がする。けど、15分おきに支配下に置いていた人たちに連絡をさせるということは、自分も15分おきに連絡を受け、しかも連絡を受ける管理も頭の中でしなくちゃいけないわけだし、毎日ヒエラルキーの順位やタイミングも考えていただろうし...そんな考え事がある日々って、日常が楽しくなさそうなんだよなあ。

それが楽しかったのだろうか。自分が、支配力があるという状況が、楽しかったのかなあ。

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)