原作と映像
- 作者: リリー・フランキー
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2005/06/28
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 414回
- この商品を含むブログ (1446件) を見る
もう先月の話なのですが、先週の14日に映画公開されたリリー・フランキー原作の「東京タワー・オカンと僕と時々、オトン」の試写会に行って、参りました。ええ、もうそりゃあ大変な有様でした。話題どおりです。笑えるシーンはあちこちでくすくす笑い、後半になると会場のそこらから鼻のすする音が聞こえる。会場が明るくなると誰もがハンカチ片手に眉間やおでこのしわを一生懸命伸ばしている状態。一同に参っていました。
私はこの原作を読んだことはありませんでした。自分の大学の図書館にこの本があると知って、すぐに予約をしたけれど順番待ち。テレビのない部屋に住んでいる私はドラマを見る術もない。58人の予約者を経て、ようやく昨日私の番が回ってきました。
映像から入って、原作を読むというパターンでものに触れるというやり方をしたのは初めてでした。私は大のポッタリアンなのですが、映画を見たときは魔法の世界に純粋に感動はしたが、カットのされすぎでやたらにスリムになったそれの違和感がいやでした。ほかにも、漫画のアニメ化など。作品のダイエットは好きじゃない。
そんな気持ちがある自分は、東京タワーもきっと原作から入っていたら映画はつまらなかっただろう。
映像から入った作品の原作は非常に面白かった。多分、初めから原作を読んだとしても、ここ迄楽しめなかっただろう。頭の中で話が一部分映像化されているためか、映画ではカットされているシーン、ハワイできりん+その姉妹役でアメリカ人のステイタスを楽しむ風景をふっと哂うオダジョーの姿がなんとなく頭に浮かんできた。オカンはスカーフを巻いていた理由等映画の細部も気づく事ができる。
すると、ハリー・ポッターやアニメなども映像から入ったら今よりも楽しめたのだろう。あぁ。まぁ今更、そんな事を言ってみても仕方がない。原作未読映画の原作読みという楽しみを発見できた。これからもまだまだ楽しめる。映画を楽しもう。
(800字)
===
東京タワー読破後に、ふと「おでんくん」の絵本を見つけたので立ち読みをしましたが、ここはリリー・フランキーの世界炸裂だなぁと思いました。東京タワーっぽいもの。お母さんの「胃の病気」。リリー・フランキーという人はすごい人だ。