みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

2011年末、インドネシアの2億5000万台の携帯

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携帯2台持ち

ジャカルタポスト紙が、昨年末インドネシアで現在使われているSIMカードが2億5000万枚になった、という記事が出ています。(http://www.thejakartapost.com/news/2012/01/14/major-operators-look-boost-broadband-year.html)前年と比べて10%増で、マレーシアは33%増なんだとか。
おそらく携帯電話だけでなくタブレット用のSIMも入れて2億5000万という数字が出てるんでしょう。
インドネシアの人口は2億4000万人くらいなので、単純に「へーインドネシアはひとり一台携帯持てるくらいなんだ!すごい!やっぱりこれからはインドネシアで携帯向けビジネスだ!!ウイッヒヒヒー」「人口と同じくらいが、これからはあんまりケータイ本体は売れないんじゃないかな」と考えそうですが、こういうのは単純じゃないのです。

日本よりも地域格差が激しいインドネシア。都市部の中間層以上の20-30歳の人が、携帯3台持ち4台持ち5台持ち、というのは
ぜ ん ぜ ん 珍 し く な い
ことなんです。
なぜか、と聞くと、返ってくる答えの多くは「これは家族用(*注・日本みたいに家族同士だと通話料が安いみたいなシステムはないです)」「これは中学高校の時の友達用」「これは仕事用」「これは長電話用(ソフトバンクほどではないけど、同キャリア同士なら通話料が安いというところもある)」「大学の近くだったら通じるけど、実家の回りじゃ回線が不安定だから」などなど。


昔使っていた携帯を維持している人が多いのです。自分が属したコミュニティの数だけ(あるいは時代の数だけ)携帯が増えていっています。もちろん彼らの多くは、ブラックベリー、アンドロイドなどスマートフォンも持っています。通話とSMSとアドレス帳の機能だけを使う携帯複数+スマートフォンFacebooktwitter用)、という組み合わせで持ち歩く人は少なくないです。
日本の場合、携帯を新しくしたいなーと思ったら、ドコモなりauなりソフトバンクj-Phone,ボーダフォン)のお店に行ったら、笑顔のかわいい店員さんがアドレス帳を親切に新しい携帯電話に移行してくれましたよね。
キャリアと電話機パッケージ一体型のサービスを提供している日本だからこそ、楽〜〜にアドレス帳管理ができたのです。ガラケーガラケーいわれているけど、むしろガラパゴス「携帯サービス」ですよ。こんなユーザー目線に立ったサービス展開してくれるケータイメーカー、キャリアってそうそうないよ。

「いやそんな、おれが若い頃そんなことはなかった」と異論を申し立てる人も多いでしょう。携帯電話が白黒画面だったころ、携帯機種変更した場合は手打ちでアドレス帳を新しい携帯に打ち込んでいた人もいるかもしれません。でもね、インドネシアの人たち、100人も200人分ものデータを手打ちで移行するなんて、そんなまめまめしいことしたがらないんですよね。

また、昔使っていた携帯を維持するのに維持費(基本使用料)がかかることはありません。プリペイド式がメジャーなので、今月はA社ので通話100円分使った、B社ので600円分使った、C社のは一度も使わなかった、あわせて700円というシンプルな足し算ですませられますが、日本の場合A社ので通話700円分使ったけど基本料金あわせて1000円、B社は通話0分で0円だけど基本料金がetc...となるので、すすんで複数携帯持ちをしたがる人はいないですよねえ。


一方田舎の方だと、携帯を家電がわりにしているところもある(山奥のコーヒー農園物置・事務所に1台、お父さんだけ携帯を持っていて家族の連絡をすべて引き受ける精度にしている、など)ので、伸びしろマダマダです。

もちろん日本のように電波的な条件やほかの要因で携帯複数持ち歩いている人も多いです。


だから、インドネシアの携帯所有台数(アクティブ状態のSIMカードの数)はどんどん増えるし、二億なんてもんじゃねーです。日本じゃせいぜい1億だけど、インドネシアは10年後には6億くらいガッといくかもしれんです。
すごいなあ。。。

ちなみにインドネシアでは今年はブロードバンドに力を入れるっていろんな立場の人が言ってます。「楽天」利用者、増えていってほしいなー。そうなると次は運送業者がしっかりしてほしいなー。