中国人観光客のお買い物実態・電通+堀田分析(2015上)
電通さんの分析です。
いまいろんな研究所や調査会社が、イスラム教徒や訪日観光客の行動調査をしては発表しており、それを眺めているだけでもかなり勉強になります。
ちなみに私も、インドネシアに限らない訪日観光客対応の支援サービスを着手しており、羽田空港に足しげく通っては観光客にインタビューしています。訪日観光客対応事業に関しては出産後本格始動の予定で、このブログも今後そういった色が濃くなることを宣伝しておきます。今回はその第一弾です。
中国人=爆買い、というわけでもない
爆買いする人は団体向けパッケージツアーを利用
インバウンド消費で大部分を占めている中国人(本土)のお買い物。本国の雑誌やインターネットで情報収集し、スマホアプリや手帳に仕込んだ「お買い物リスト」を片手にガツガツとビックカメラやラオックスを練り歩く姿がテレビで報道されてますね。
電通さんのデータでも、中国人の消費行動の象徴として描かれています。
ただちょっと知っておいてほしいのは、すべての中国人観光客が爆買いに日本にきているわけではないということ。
地方自治体の観光関連の課にヒヤリングしたところによると、中国から「爆買い」しにきている観光客は、効率的に買い物をするために旅行代理店の団体向けパッケージツアーを利用しているそうです。
買い物する場所どころか、食事場所や時間も全部ことこまかに決まってるようなツアーです。一時、日本から韓国にもそういう効率的にお買い物することを重視して組まれたツアーがありましたね。あれをイメージしてください。
団体ツアーが多いことに、多くの方は納得がいくと思いますよね。銀座の「肉のハナマサ」周辺にはいつも大型バスが駐車してます。あれに乗ってるような方々です。買い物をしたらすぐバスに荷物を置けるし、大量に買い物するにはもってこい。
逆に、爆買い重視で日本に観光に来る場合、往復エアチケット+ホテル+オプションツアー程度の個人向けパッケージツアーや、個人手配の旅行だと、輸送力・機動力という点でも「効率的に」は難しいでしょう。(一カ所でしか買い物をしないようなガチ転売ヤーは、この個人手配の旅行の方がいいでしょうが、これは「観光目的の旅行」とは分類しません)
おおまかにまとめると、
爆買いを重視する中国人旅行者=団体向けパッケージツアー旅行を利用
爆買いをそんなに重視していない中国人旅行者=個人手配旅行、個人向けツアーを利用
といえそう。
団体旅行者=爆買いさん。約半数は爆買い目的ではない?
上の分類をあてはめると、爆買い目的の中国人観光客がどれくらいなのか、だいたい見えてきます。
参考になる資料として、JNTOが発表した訪日観光客の消費動向(2015.1〜3月)の結果を引用します。
中国の観光客の旅行形態のアンケートです。
団体ツアー旅行者(爆買いさん):54.8%
個人旅行向けパッケージ旅行者(not爆買いさん):17.5%
個人手配(not爆買いさん):27.7%
爆買いか、not爆買いかで分類すると
爆買いの割合はもちろん多いです、過半数を占めています。
でも、圧倒的多数とはいえません。約半分弱が、not爆買いさんともいえそうです。
繰り返しますが、中国人観光客は母数が多いです。昨年の中国人訪日観光客数は240万人。
このうちの54.8%=約108万人はnot爆買いさんと考えると、同じ中国人観光客でも、爆買いさんとnot爆買いさんの消費動向をわけて分析するとよさそうです。
また、この団体ツアーに関しては残念な話もあるので、これはまた次回。
銀座で爆買いする大陸成金系中国人より、岐阜の飛騨地方の家具メーカーでひとつ200万円くらいする一枚板の素敵テーブルを買ってくれるシンガポール・香港の華僑がドル箱。岐阜駅うろうろしていると「こんな高いダイニングセット誰が買うんだ」って思ってたけどオーチャード系の方が買ってくれるのよ
— 堀田みきほ (@miqiho) August 17, 2015