自分がやりたいことに気付き、人生のコマを戻す勇気
Facebookで中・高校時代に親しかった友人と再会した。よくある話。
お互い家がそう遠くないこと、私が今住んでいるところに、彼女が3年前まで住んでいたということがわかった。そして本日、家に来てくれた。これもまあ、よくある話かもしれない。
そしてよくある話だが、「そういえば、あのひとどうなった?」という、共通の知人の噂話。その人について特に知りたいわけではないけれど、なんとなく話題になる、アレだ。
誰々が芸能界に入ってなんちゃらのCMに出たとか、誰々は司法書士受かって埼玉で見習い期間を過ごしているとか。
そこで、ある旧帝大に進んだ男の子の名前が出た。彼は高校の時から、物理学だか量子学だかを研究する学生グループに所属して、高校生ながらに学外でも評価されていた。その研究を、進学先でも続けるらしい。
私の出身高校からメーダイ以外の旧帝大に進学する人は珍しいため、彼の進路は学内でちょっと有名だった、と記憶している。
「彼ね、大学辞めたんだって」
「ええー!!!なんで!?」
よく聞く、理系の研究室のいびりとか、学内いじめとかと下種の勘ぐりをした。
ことごとくはずれた。
「大学3年くらいの時にたまたまあって直接聞いたんだけど」と彼女は前置きをし、
「『僕は本当は研究とかしたいわけじゃないんだ』って、大学を辞めたの。
そして本当にやりたいことということで、看護学校か大学かに入り直したらしいよ、3年遅れとかで。いまは、県内の市の病院で看護師として働いてるんだって」
素直に、とても感動した。彼の決意に、選択に、また家族のサポートに。
推測だが、彼はその研究分野で、高校時代からエリートだった。まわりから「すごいすごい」と評価され、そのままその研究分野に進めばヨシとされていたんだと思う。
そのエリート視されるポジションから「何か違うぞ」「僕のやりたかったことは、これか?」と気づけたことは相当幸運だったと思う。
そして、自分が築いてきたキャリアと自分の気持ちのずれを認める勇気、人生のコマを戻す勇気は、いずれも誰しもが持てるものではない。
その勇気を支えた家族もいたんだろうなあ。そういう親に、私はなりたい。
本当に明るい気持ちになれた話だったなー。