コンプレイン2―タクシー
ジャカルタを走るタクシーは大きく分けて三種類いる。
ひとつめは、まともなタクシー。道も分かるし、運転中のケータイ通話や、いきなり歌い出したりなど、「給料が発生する時間帯にやるべきでないこと」を決してやらない。聞き心地のいいラジオを流してくれたりすると最高だ。
ふたつめは、ハズレタクシー。道がわからない、「それっぽい方面に行ったら近くの人に聞けばいいさ」というスタンスでいるため、ロスが多い。あるいは、外国人だからとナメてわざと遠回りをする。
みっつめは、うんこタクシー。道も分からない上に、歌いだす。
タクシーに乗るときにかかえる問題は、やはり三つある。
一つ目は、道を知っているか。
ほとんどのタクシーにはカーナビがついていない。運ちゃんも知らない場合は、住所的にそれっぽいところに向かって、近くに行けばその辺にいる人に聞けばいいやというスタンスでいる。もちろん運ちゃんがタクシーから出てそのへんにいる人に道を聞いている間にもタクシーのメーターはガンガン上がる。一方通行の道なのに通り過ぎてさらに厄介なことになるのはしょっちゅうだ。
二つ目は、音。
無音かラジオがいちばんいい。
ただ、日本人もそうであるように、相手の不快を考えない人が多いけれど、相手を不快にさせないためにするルールが敷かれていないので、とても厄介。突然携帯電話で怒鳴るように話し始める人もいるし、タクシーの雑音まじりの無線をつけたままにする人もいる。
さらにわるいことに、歌い出すことだってある。しかも微妙な歌。これは「やめて」といいにくいところがかえって大変だ。本人はサービスのつもりでやってる場合もある。が、かなり不快である。
三つ目は、冷房。
とにかく寒い。切っておいて欲しい。
この国ではタクシーの冷房をばんばんにきかせておくことがお客さんへの礼儀らしいので、「寒いんですけど」と主張しても、「?こいつ外人だから言葉おかしいから、もっと寒くしてくれってことかな?」と判断されて、冷房をかえって強くされることすらある。そこでさらに主張すると頭おかしいみたいに見られてかなりうっとうしい。病人の振りをするのが一番はやい。
タクシーの中はあんまりきたなくないのでいいです。