2014年大統領選挙キャンペーン動画
Prabowo Hatta: We Will Rock You - Dhani, Nowela ...
2014年7月9日、インドネシアは次の5年の大統領・副大統領ペアを決める選挙がありました。有権者1億9000万人の直接選挙、まさにメガ選挙。
今回の選挙候補者は
(1)プラボウォ・スビアント氏
元バリバリの軍人。
東ティモール独立を巡った紛争では人道的に不味いことをいっぱいやらかした
1998年の混乱期は学生団体に発砲もしていた
(2)ジョコ・ウィドド氏
元家具メーカーの社長→地方都市の市長→ジャカルタ州知事という出世コースを辿っている
という、元軍人VS民主化を体現していたおじさんの一騎打ち。政治に関する分析は
じゃかるた新聞 | インドネシアの日刊邦字新聞の報道や本名教授などにお任せするとして、みきほ氏はここで発揮されるインドネシア人のクリエイティビティに迫るとします。
インドネシアの選挙において、候補者(あるいはサポーター)の宣伝活動がクリエイティブであることを以前言及しましたが、今回のメガ選挙でも例に漏れずおもしろいものが量産されました。代表的な物をいくつか紹介するとします。
- Prabowo rock you
Prabowo Hatta: We Will Rock You - Dhani, Nowela ...
QueenのWe will rock youをパロッたものです。元軍人のプラボウォが「強い政治家」であるというイメージをうまく打ち出したよい動画だと思います。
「我々にはプラボウォがいる、インドネシアという国が呼んでいる」「いつだ?いまだ!いまこそ我々はプラボウォを必要としている!!」そんなフレーズがじわじわきます。
実はコレ,TIME紙で「ナチスドイツの制服のような服装でこんなメッセージを発するのはどうか」と取り上げられています。
あと「Queen に許可を取らずにこんな動画を作るのはどうか」という意見もあるようですが、でも、ねえ..。
- Black or White Campaign
CAMEO Fun Campaign: Prabowo Jokowi - YouTube
One-DirectionのYou are the beautiful をパロディしたジョコウィ応援ソングをつくったCameo Projectによる「fun campaign」。
「もしもプラボウォが大統領になったら」、「ジョコウィが大統領になったら」の両方構成で作られています。よくもわるくも、うまく風刺されています。
例:マレーシアとのバティック問題への対応。
ジョコウィ→「我々の問題ではない」と対応をせず、またうやむやに。
プラボウォ→マレーシアという国を消している
あと、気になったのが「ジョコウィの人形を頼んだら、中身はメガワティだった」エピソード。そういう風に見られちゃってるんでしょうかね。メガワティもただのジャワのおばさんで、政党の人形にすぎないという意見を聞いていたので、この風刺は意外でした。
2012年のジャカルタ州知事選挙、2014年の大統領選挙というビッグウェーブが終わったので、当面は選挙におけるクリエティビティを見ることはできないようです。次は2017年かなー。これほど選挙が楽しい国もそうそうないと思うので、ぜひ選挙シーズンのインドネシアに赴かれる方は、従業員や友達なんかにおもしろい動画を教えてもらって一緒に楽しんでほしいなあと思います。