「何があれば、産めるの?」⇒の私の3つの答え
id:nyankichitter さんの投稿がめちゃくちゃ心に響きました。「お前は2年前の俺か」と。
彼女やわたしと同い年、アラサー世代で、同じように悩まれている方もたくさんいらっしゃると思います。ご本人には届かないかもしれないけれども、参考までにということで、エア返信します。いわゆる「俺はこうだった」案件です。
ただ、すべての前提として、すべての女性は「産まない」選択肢もあるということは強調しておきます。
わたしも、何者かになりたかったし、なりたい。
「何者か」とは
にゃんきちったーさんのいう「何者かになりたい願望」の「何者か」、定義があいまいに書かれています。
椎名林檎さんや尾崎豊さんのように誰もが名を知る才能型「アーティスト」を意味しているのか、安藤美冬さんやイケダハヤトさん的な新しい時代の生き方を提案する「時の人」のことなのか。広告業界やマーケティング業界では名を知られている原田陽平さんのような、「専門分野で突き抜けた人」なのか。
私が10代から20代前半に思い描いていた「何者か」も、このへんが曖昧でした。わたしも、「何者かになりたい願望」がとても強かった人です。
今思うと、高校生で1年間マレーシアに留学するというのも、新卒でジャカルタへ渡り新聞という就職先を選んだのも、「何者かになりたい」という想いをこじらせての奇行でした。*1
そしてその何者かになりたい願望は20代半ばでも続きます。少なくとも、「『誰々ちゃんのママ』で終わりたくない」、そんな気持ちははっきりしていました。
「○○ちゃんのママ」で終わりたくない、という気持ちがわからない男
インドネシアから帰国して間もない頃、地元で「結婚しよう」と言ってくれる男性がいました。しかしこのタイミングで結婚・出産すると何事も中途半端になり、「何者にもなれない」ことは明白でした。
相手も「何者にもなってほしくない。27になるのにフラフラとするな。何かになりたいんだったら、俺の子どものママでいいじゃん」と言う人でした。恐れ多いのですが、「何があったら決められるの?」と言われたにゃんきちったーさんに近い状態だったと思います。
ですが、1月に入籍し、このほど妊娠しました。
当時から現在まで、何が違ったのか。3つほどあります。
1.人生のロールモデル的な存在、メンター
帰国した頃の私は、この「何者か」を、「ある特定の分野で信頼される人」「ある特定の分野で知られる人」と明確に定義付けできていました。
ので、人生のロールモデルとして参考にすべく、尊敬する女性たちに相談することにしました。ジャカルタ、東京、名古屋で、「特定の分野」である程度成功し、小学生〜大学生くらいのお子さんがいらっしゃるワーキングマザーたち5人のお話です。
「子どもは欲しいんだったら産めるうちに産め」
「先に結婚して子ども産め」
「仕事の実績とかいいから、子ども産め」
「目の前にある仕事を『今しかできない仕事』と思うかもしれないけど、そんなことはないよ。ちゃんとまた波が来るからまず産め」
と言う具合に、5人ともみな「ごちゃごちゃ言ってないで産め」派。
恐れ多くも、アドバイスいただいたとき、私は、
「昔と違っていまは保育所が…」
「5年後6年後にはルピアが…政権が...」
「インドネシアの市場は…他のプレイヤーにとられちゃう…」
など反論しました。でも、みなさんのこれまでのエピソードなどを聞いているうちに、詳細は割愛しますが、「なるほどなあ」「そういうもんかねえ」と納得させられたのです。
「実績が足りないから」「キャリアが途切れるから」産めないと悩むみなさんは、尊敬できる先人に聞いてみるといいでしょう。産んでいったんキャリアアップをセーブして、あるいはいったん最前線から退いているけど、バリバリしている人・実績を作っている人に相談すると良いと思います。
にゃんきちったーさんの場合、いろんな方からアドバイスをしていただき、話を聞けば聞くほど「手遅れになるんじゃないか」という気持ちがはやる、とのことですね。
「経験談のシェアを厭わない諸先輩方」との関係性がよくわからないのですが、信頼・尊敬できる人だけの話を聞いた方がいいかなと思います。ロールモデルとして参考にならない人の話聞いても、あんま参考にならんのじゃないかなあ。
お話する際、自分の人となりや、やりたいことを知ってもらった上で、しっかり時間を作ってアドバイス等をもらうと、いいんじゃないかなあ。
参考)
私の価値観として、「この人すごいなあ。この人みたいになりたいなあ」と思う女性は、子どもを産んでいらっしゃる方が多かったです。
そして「この人すごいなあ。だけどこの人みたいになりたいとは思わないなあ」という人は、子どもを産むという選択をされていませんでした。
私自身に、子どもを育てていくうちに培われていくだろう魅力を持ちたいという考え方があったのだと思います。参考までに。
2.「この人の子孫を残したい」と思えるパートナー
やっぱこれじゃないっすかね…決め手って。
子どもはいつ産むべきかとうだうだしているうちに、「こんなすばらしい人の子孫を残さないのは、世の中的に損失じゃね?」って思える人が登場しました。
「何者かになりたい」という気持ちはそのまま残っています。自分のこれからの人生捨ててまで彼の子どもを産みたいか、と問われると「はい」とは即答できません。でも私、パートナーと出会うまで、具体的に子どもが欲しいとは思えませんでしたよ。
3.切実なタイムリミット
私はこのパートナーに出会うまでは「女は35歳までは問題なく産めるらしいから、それくらいに産めりゃいいや。それまで実績を詰もう」とざっくりゆるゆるに考えていました。
ところがどっこいこのパートナー、年齢が10近く離れていたのです。*2
そこから切実にタイムリミットを意識しました。学生時代に知り合った医学部の学生の「男の精子も35歳から老化が始まる(という研究もある)」と言う話が鮮明に記憶されており、事実確認はさておいて、「もう35歳超えとるやん、アウトやん。なるはやでお願いします」という思考回路になりました。
そして、以前アドバイスをしてくださったワーキングマザーのひとりの言葉。
「あとであとで、と言っていて産めるときに産めなくて、不妊治療にタワマン買えるくらいのお金と、ツインのタワマン建つ以上の時間をかけるくらいなら、早く産んだほうが良いと思うよ」
(って書くと、にゃんきちったーさんの「諸先輩方」のアドバイスとあんま変わんないな。無意味に焦らせちゃうよね。ごめんなさい)
まだ産んでませんし、実績と言えるものはないです
ココまで偉そうに書きましたが、私はまだ産んでません。無事に産まれてくると決まったわけじゃありませんし、某炎上料理研究家の方などが提唱するような立派な母親になれる自信もありません。*3
社会人としての実績は、見る人が見たら実績と言えるものもあるかもしれませんが、私はそうは思いません。恥ずかしいこともたくさんしてきました。
ただ、同じようにうだうだ考えていた人が、「何があって、産むことにしたのか」のひとつの記録として、ココに記しておきます。
うだうだと迷うアラサーの女性たち、いつまでも男は子どもを作れると信じているオニーさんがた、あるいは少子化対策を本気で心配するオジサンオバサンに、「最近のアラサー女子のケース」として参考にしていただければ。
<参考図書>
妹たちへ2 生き方に迷うあなたに、今伝えたいこと (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 日経WOMAN
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/06/03
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