読書記録 戦争は女の顔をしていない
「戦争は女の顔をしていない」読み終わりました
読むのはすごく精神的に大変でした
当時ソビエトでは自分=国家、自分と国家は一心同体だというような教育があって、戦争があるなら祖国の地を荒らされる前にわたしが戦いたい、という女の子たちがたくさんいた 80万人から100万人もいたそうな
自発的に志願するようにというような雰囲気があったのだろう 本書では ピクニックやバーゲンセールにでも行くかのように、女の子たちがみんなで一緒に前線に行きたいと志願するという空気感が伝わってきた
生まれる場所・時代が当時のソビエトだったら、私や友人たちも、彼女達みたいに志願したような気がした
男達と共に戦場にいるということがどういうものか誰も分からないまま
彼女たちは戦線へいった
彼女たちは「慰安婦を兼ねていた」ともいえる
そんなこと志願する前の女の子達誰もしらない
この話が露骨に出てくるのが本書の後半に差し掛かったあたりで、前半ずっと気にしないでいようとした私も、この事実にありついて「やっぱりか」と「そういうもの、なのか...」と変な納得感があった
そんな彼女たちを戦後待ち受けていたのは「戦場で男と何をやっていたんだ(この売女)」というような罵声 この事実が、読み手を一層辛くさせる
そのほか印象に残ったもの
- 生理中女性の経血の処理ができていなかったというの話
- 男物の服や靴しかなくて苦労した話
- 家族全員死んでパルチザンに連れられた人、家族を失ったから前線を志願した人
- きょうだいの中で母のところに戻ったのはただひとりという話
- 夫とともに出兵した人
- 妊婦が地雷を撤去して、地雷を脇腹に抱いて運んだという話
- 中立地帯で子どもを産んだ人
- 切断した手足に囲まれて働いた看護婦さんの話
- 地下活動の中で家族が引き裂かれて散り散りになった話
戦争に関心がない人ほど読んでほしい、とくに10代の女の子にかかわる仕事をしている人ほど読んでほしい
この本は子ども産んでからのほうがコタえるわ まだよくわかっていない、それこそこの子達が兵士に志願したような年齢で読んでも、半分くらいピンとこなかったろう。経産婦の32歳のおばさんの今読んでよかった
独ソ戦線の遷移や、レニングラード包囲戦がどういう経過をたどったのか、パルチザンとはなんなのか...といった知識があるとより深く読めるだろう 私はそれらについての知識があまりなく、毎回ウィキペディアを参照しながら読んでいた 自分の教養のなさを思い知った (ウィキペディアがある時代に読めてよかった...)
「戦争は女の顔をしていない」を読むにあたって、レニングラードの戦いがどれほどのものかわかってないと、深みが出てこない
— 堀田実希(通称みきほ氏) (@miqiho) May 18, 2019
(このブログは9割音声入力で書きました 便利だ...)