みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

【読書感想文】セーラームーン世代の社会論

今回はただの読書感想文です。

セーラームーン世代の社会論

セーラームーン世代の社会論

 

みきほ氏は1986年生まれ、セーラームーン世代です。といってもフルで全部見ていたわけではなく、「無印」「R」くらいしか記憶にないです。年長組で友達とセーラームーンごっこをする折には、セーラーマーズ役でした。「どっぷりセーラームーンにはまった」というほどではないけど、影響を受けていることは確かです。

著者はゴリゴリの社会学者というよりはポップカルチャー系の編集者・ライターさん。論文として本気になって読むより、読み物として「ああ、こういう見方もあるかも」「当たってるかも」というスタンスで読むと楽しめます。

本書で気になったところ・おもしろいとおもったところの感想をメモとして書きます。

「推しメン」から分析する志向性がおもしろい

本書では、セーラームーン世代女子が幼少期に「ごっこ遊び」で選んだキャラクターから、現在の志向性を分析している。選んだキャラを、無意識のうちに「成長したときになりたい自分」とロールモデルにしているというわけだ。

女の子らしさを捨てないで戦うというマインド

セーラームーンナウシカセーラームーン世代とナウシカ世代の女性を比較して仕事観を分析されており、ここも興味深い。
セーラームーン世代より上の世代の女性と、仕事観の違いを感じているアラサー女子は一読の価値がありそう。

オトコに依存しない生き方を提示

ぐぐったらちょうどセリフを言及された方がいたので貼らせていただきます。

このシーン、ずっと忘れていたけれども、わたしもある年齢まですごく覚えていたことをこの本を読んで思い出した。潜在的に、「女性は男に依存しないで生きていける」ということを刷り込まれていたのかもしれないなー。

そう考えると、社会状況として、セーラームーンは「女性は男に依存しないで生きていく」という考えを認めてくれる国じゃないとウケが悪そう。あるいは、そういう機運があるということ。「女性はオトコの庇護下にあるべきだし、むしろ女性は家畜と同等だ」というような考え方が強い共同体では、「女だけで戦う」セーラームーンは全く受けないだろう。40か国で放送されたとのことだけど、どんな国で放送され、人気度がどうだったのか気になる。