東南アジアの妊婦たちはどのようにプレママ知識を得るのか(1)
このほど妊娠しました。
妊娠がわかったら、気をつけるべきことが山ほどありました。妊婦はアルコールとタバコはダメということ、カフェインも控えるべきということは一般常識のようなものとして知られていますが、そのほかにもやっちゃいかんルールがあるそうです。
ネットでもそういった情報を集めることは出来るけど、総合的にまとめられたものを手元においておきたかったので、「はじめてのたまごクラブ」を買いました。いつ母子手帳がもらえるのか、補助金はどんな種類があるのかーーそういった情報がまとまっていて、とてもとても助かりました。親と同居してる人でも手元に置いとくといいかもしれない。
初めてのたまごクラブ 2015年冬号―妊娠がわかったら最初に読む本 (ベネッセ・ムック たまひよブックス)
- 出版社/メーカー: ベネッセコーポレーション
- 発売日: 2014/12/15
- メディア: ムック
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さて、ふと思う。日本ではこういった育児雑誌や公刊物である母子手帳があるので、妊婦として知っておくべきことの情報へのリーチが難しくないです。友人の話を聞いていると、どこの自治体も母親教室を各自治体の保健所が開講しているようで、至れり尽くせりです。では、他の国では?インドネシアではどうなのか?シンガポール、マレーシアの女性たちは、どやってプレママ知識かき集めるの??ということで、みきほ氏、友達に聞いて調査してみました。
<マレーシアの事情>
マレーシアは全土においてかなり都市化が進み、2015年現在、電家製品なども地方までかなり普及しているという印象を受けています。13年時点でネット普及率は66%、スマホ普及率は80%を超えるようで、クアラルンプールのLRTを利用する小学生が友達3人と横並びで歩きスマホをしている様子にはダメな意味で驚かされました。人口3000万人総中流階級(★マレーシア国籍保有者に限る。労働移民が多く、ブルーワーカーのほとんどは外国人)といってもよさそうです。
出生数は毎年45万と日本の半分程度。新生児死亡率は0.5%。農村部では大家族世帯が圧倒的多数ですが、都市部では若い夫婦のみの世帯も多くみられます。それでも、どちらかの親の家のそばに住みたがる傾向がありますし、車で1時間くらいという距離でも月に1度は親の家を訪れます。
・フィフィちゃんのはなし
クアラルンプールのベッドタウン、ペタリンジャヤ(PJ)に住むマレー系のフィフィ(32)、一男一女の母にお話を聞きました。
「私の場合雑誌は買わなかったわ。本は買ったけど。それより、インターネットを活用したの。Facebookが普及してから、Facebookに「プレママグループ」「母乳で育てたいお母さんグループ」みたいなのが出来てたの。過去の投稿を見て情報を集めたわ。そのグループで質問すればドクターが答えてくれることもあるのよ。政府の発行物っていうのはとくになかったわ」
というわけで、情報源としてのFacebook万能論。話しぶりから、本よりFacebookでの情報を頼ったような感じでした。「専門家が答えてくれる」っていうのがよかったみたいです。
<インドネシアの事情>
インドネシアは都市と農村のモノ・情報の差が依然として激しいです。FBやTwitterの利用者が多い国として知られていますが、スマホ普及率は2013年で11%程度。インドネシアのネットのスタートアップ企業も注目されていますが、ネット普及率はせいぜい2013年で15%でいずれも都市部に集中。情報格差は地域間で依然として残るといえそうでしょう。
人口2億4千万。そして年間出生数は約450-500万人。シンガポールの人口に相当する赤子の数が毎年産まれているので、ベビー・マタニティ市場としてはとても有望な場所だと思います。(単純計算でも日本の5倍!)
・デフィちゃんの話
首都ジャカルタに住むデフィさん(37)に聞きました。お子さんは8歳くらい。
「私は雑誌を買ったわ〜育児・妊娠をテーマにした雑誌があるの。これが当時買った雑誌の一部よ。majalah ayah bundaっていうインドネシアで唯一の今も続いている雑誌だと思うわ。たぶん70年代からある、歴史ある雑誌よ〜」
写真まで送ってくれました!ありがとう!
「そのほか妊娠情報を共有するメーリングリストも購読していたし、本も買ったわね。もちろん、信頼できる人に聞いたりもしたわ」
デフィちゃんは大卒ホワイトカラー職なので雑誌を買っていますが、インドネシアでは人口の割に日本のように雑誌を購読する文化がないように感じています。平均所得が雑誌を購読する余裕ができるほど上がる頃には、インターネットのほうがお盛んになっていたといえそう。今でこそ所得が伸びて大卒でも3−5万円くらいですが、平均所得からみる雑誌の値段は高い時期が長かったように思います。
ビジネス視点で見れば、今後、お母さん向けオンラインメディアとかSNSとか、そういうのあるといいのかもですね。ネット普及率が低すぎるので利益化するのは5年後10年後だと思いますがいまなら「老舗」ブランドの名をゲットできる、かも?
というわけで、これからも随時アジアの妊婦事情を軽くインタビューしてみようかな。