【呼び掛け】来週から断食月。インドネシアに出張される方へ 2015年版
★当記事は二年前作成記事を加筆したものです
2015年今年のラマダーン(断食月)は年の断食月は6月18日から7月16日くらいまで。解釈の違いから、一部では17日から始まります。ラマダーン中、イスラム教徒(ムスリム)の方々は、日の出から日没まで食べ物はおろか水を含む飲み物を摂取することを禁じられています。中には唾液も飲み込まない、という方も!もちろんタバコもチューインガムも基本的にはダメです。
そのため、町や人の雰囲気がちょっと変わります。断食月中にインドネシアなどイスラム教徒が多い国・地域を訪れる方、身の振り方にご注意を。「自分はビジネスで来てるからシラネー」と現地の風習や習慣を軽くみると、日本人が残念な国民と思われちゃいますヨ。みきほしから、ラマダーン中に注意すべきポイントをお伝えします!
①人前でむやみに飲食しちゃダメ!
②ラマダーン中=賄賂&盗難シーズン!パスポートの携帯も忘れずに
③エッチなお店、アルコールの入手が難しくなる
④インドネシアで商売させていただく、という気持ちを忘れないで
1)人前でむやみに飲み食いしちゃダメ!
インドネシアは人口の8−9割がムスリムの国。ラマダーン中、断食を免除される病人や妊婦、生理中の人、旅人、乳幼児以外、みんな断食に参加します。視界に入る人の5−9割が、早朝からなんにも食べてないと見なしてください。みんなおなかぺこぺこ、喉からから。そこのところ「空気読んで」、配慮してください。「彼は異教徒だから」と気にしない人がほとんどですが「俺はのど超かわいてしんどいのに水ガブ飲みしやがって」とイラっとしちゃう人もいますから。
日没時、町中のモスクから「お日様が沈んだよ〜〜〜」と知らせる放送が流れます。その合図とともに、みんな水を飲んだり、軽食を食べたりと栄養補給にいそしみます。
インドネシア滞在中にお世話になっているタクシーやレンタカーの運転手さんがムスリムである場合、飲み物や食べ物にありつけるよう配慮するとよいと思います。「水、飲みなよ」って身振り手振りするだけでもよいかと。
2)ラマダーン中=盗難&賄賂シーズン。パスポートの携帯も忘れずに!
ラマダーン明けは、ムスリムの1年で最も盛り上がるカレンダーイベント「イドゥル・フィトゥリ(ハリラヤ、断食月明け大祭)」があります。親戚一同集まってごちそうを食べたり、年長者は子どもにお年玉を配ったりと、日本で言う盆と正月がいっぺんにきたようなものです。家電の買い替えや、家族でおそろいの晴れ着を新調するおうちもあります。
ラマダーンは、その事前準備のためになにかとお金が必要な時期。よって、ひったくりや置き引きなどが増えます。注意しましょう。
万が一、パスポートが盗まれた時の事を想定し、2−3部くらいコピーしてトランクケースやホテルの貴重品入れに入れておきましょう。大使館でパスポートの再発行手続きやおよび帰国に必要な書類を作る際、あるとスムーズです。
また、お金が必要な時期=警察や公務員の賄賂要求活動が最もアクティブな時期。
入国管理局職員や、警察官が謎の検問を行ったり、外国人が出入りするオフィスやゴルフ場にやってきては「パスポート持ってないヤツは罰金だー」と金をせびります。ムダに抵抗すると身柄を拘束、なんてことになりかねません。罰金を払わなくて済むように、パスポート(ある人はKITAS、就労ビザ)を携帯しましょう。
以下、二日前にジャカルタ駐在員の日本人メーリングリストに流れてきたメールの一部です(ほぼ原文ママ)。参考にどうぞ。
先週末、「スダナ ゴルフ場」にイミグレの査察が入り、
パスポート・KITAS(就労ビザ)の原本を所有していなかった日本人二十数名が
罰金を払わされたという事例が起こったそうです。KITAS原本は所有していたものの、パスポート原本を所有してなかったことを指摘され、有無を言わせず5Juta(約5万円) / 1人の罰金を払わされたとのことです。
他にも「チェンカレン」「ロータスレーク」においても同様の査察が入り、
罰金を払わされたと聞いております。本件については、大使館・JJCを通じて改善を申し入れているようですが、レバラン前の需要期でもあるのでしばらくの間 KITAS・パスポートともに原本を携帯されたほうが良いかと思います。
3)エッチなお店は大概閉まる。アルコールも手に入りづらい。
ラマダーンはムスリムにとって神聖な一ヶ月。社会全体が、神聖な雰囲気を尊重したいという機運が高まっています。
ほとんどの州で、ラマダーン中はエッチなお店は営業しちゃダメという条例があります。隠れてやってる置屋もあるでしょうが、警察が抜き打ち検査を、過激派イスラム団体が「破廉恥な!けしからん!」と奇襲することがあります。情事の最中、恥ずかしいことになったら...自重するのがよいかと思います。
アルコールを提供する飲食店も、限られます。厳格に禁止している州もあります。けど、お客さんのことを考えて、こっそ〜〜〜り、まわりの人にバレないようにコーヒーカップに入れて出してくれるお店もあります。そんなお店には、ちゃんとお礼をいいましょうね。チップをはずむと◎。
ちなみに、駐在している日本人へのおみやげにアルコール類を持って行くとみんな喜びます。
4)「インドネシアで商売させていただく」という気持ちを忘れないで。
これはラマダーン期間中に限らず、私がすべてのインドネシアに来る日本人に言いたいことです。
東南アジアの人たちを見下しているような人、少なくありません。インドネシアの人たちは、日本のビジネス感覚では評価されにくいけれど、素晴らしいものを持っています。異文化を尊重できず、「景気いいらしいから来てやったぜ」「モノがなくて困ってんだろ、先進国の日本サマが協力してやるぜへっへっへ」という考えの方、態度ににじみ出ていますよ。そういうの、インドネシアの人に伝わっちゃいます。
モノ売る系の企業は、市場が狭まる日本でやっていけなくなるからインドネシア市場を見に来た、というところがほとんどじゃないでしょうか。つまりは、インドネシアで商売させていただいているんです。
自分のため、会社のため、ひいては国のためになる商売の仕方という視点で、ちょっと考え方を見直してみてほしいです。