みきほ氏ブログ

川崎在住、トリリンガル。日本にくる外国人観光客事情と対応術、インドネシア・マレーシアまわりのことを中心に書いています

10代長期留学のすすめ-お安く・充実した留学生活を一年間送る方法

 ジャカルタは相変わらず景気がいいです。もう愉快なくらいに。
 ふとこの間、わたしがいまジャカルタで働いていれるのも、十代のうちに1年マレーシアに留学して、国際感覚ーーというより、アジア的な土地、文化などの総合的な感覚を身につけたからかな、と思うようになりました。
 あの一年がなかったら、インドネシアが日本の関係や歴史も知らなかっただろうし、アジアに興味を持つきっかけがなかったので「インドネシアどこそこ中南米?」って言ってたかもしれないです。

 外国に出て、日本の良さを知る、新しい世界を知る、他文化を知りそれを受け入れるーーという一連の経験をすることは、のちの人生考えたら、一刻も早い方がいい。その経験がないといわゆる『グローバル社会』というのが実感できないんじゃないかな。
 もしかしたら読者様の中にも、「外国にいきたーい」「留学したーい、けど親がお金ないっていうー」という十代の思春期真っ最中の人もいるとおもうので、ひとつお安く留学できるツールをお伝えします。

 ロータリークラブの、青少年留学プログラムです。

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 わたしは高校1年生が終わった後、同プログラムを利用して約1年間マレーシアに留学しました。首都クアラルンプールじゃなくて、ベッドタウンのペタリンジャヤでもなくて、そっから60キロくらいはなれたセレンバンという街です。おそらく、マレーシアで暮らさないと聞かないような地名です。住んでいる日本人も、出張でやってくるビジネスマンもいません。2002年4月から2003年3月までの約1年、あの街にはおそらく私しか日本人はいなかったと思います。



  • プロセス

 ロータリークラブというのはいわゆる各都市の「奉仕の精神」をもった名士が集まるクラブで、慈善団体でもあります。世界各国・各都市に点在します。わたしの故郷岐阜市内だけでも10個くらいはありました。
 その土地の起業家(自営業など)らが、「自分の授かった富を地域・世の中全体のために使おう」というような精神で活動する組織です。具体的に、地域の人が憩えるよう公園にベンチを作ったり、孤児院に服を配ったり、環境保護のために植木をしたり、といった活動をしています。

 彼らの活動のひとつに、青少年交換留学プログラムというのがあります。15-19歳を対象に、長期、中期、短期で交換留学するというものです。
(詳細はこちら http://www.rotary.org/ja/studentsandyouth/youthprograms/rotaryyouthexchange/pages/howitworks.aspx
 
 派遣先は選べる場合、はじめから選択肢がない場合、完全にランダムな場合といろいろです。私が知る限り東京のほうではランダム。私の場合はマレーシアと豪州の二択で、マイナーなほうがおもしろいとおもってマレーシアを選択しました。この選択は、今までわたしがとってきた選択の中でいちばんよい選択だったと思います。

■待遇、条件など
 原則、航空券、保険代をのぞいた学費やビザ代など諸経費は、派遣元ロータリークラブ持ち。ついでにいうと、学生は派遣先のクラブから「おこづかい」がもらえます。(わたしは150リンギ、約4500円でした)
 現地ではホストファミリーの家に滞在します。この1年間のプログラムでは、いろんな家庭を知ることを重要視し、一つの家庭に2−3カ月以上ステイさせてはいけないと決めています。

 また、自分ちの子どもを海外に送った親は、今後留学生のホストファミリーとして預かることになっています。
 とはいっても地域のクラブ・家庭ごといろんな事情があるので、ホストファミリーができる家がないため結局一年同じ家にいたとか、子どもを派遣させたけど受け入れを拒否する家庭とか、いろいろです。

  • いろんな家をみること

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 マレーシアはマレー系、中国系、インド系の3民族がマレーシア国民として暮らしている国です。私は運良くすべての民族の家にステイできました。また、宗教行事があるときは短期で違う人の家にステイすることもありました。

 民族によって家の作法が全然違います。冗談ばっかり言い合ってる夫婦もあれば、嫁姑の仲が悪い家、子どもが引きこもりがちな家。どこの家も宗教が違い、それぞれの宗教のことも学べました。

 たぶん日本に来た学生もその辺は同じで、家族仲が悪い家もあれば、いい家もあるし、お母さんが強い家もあれば、お父さんが強い家もあるーーいろんな家があることを知ります。だから、「日本の家はこうだ」という決めつけは起こりづらいように思います。

  • 応募方法

 もともとはロータリークラブ会員の子弟を対象にしたものですが、日本ではロータリークラブと関係ない家の子どもを派遣させることがよくあります。それは地域によってやっぱり違うので、お近くのロータリークラブに問い合わせてみてください。

  • 実家で国際交流

 日本人も、会ったこともない、言葉もいまいち通じない、縁もゆかりもないガイジンを数ヶ月預かることはとても骨の折れることだと拒否するケースも少なくないようです。
 うちの実家の人々は、時には悩みながら、でも楽しそうに(?)やっています。預かってる最中は大変そうだけど、終わってからは『あの子はどうだったー』とか『〇〇はこの店の〇〇が好きでよく食べてたなあ、なつかしいな』と話をしています。

異なる国の人と人の交流は、言葉で言うほど楽ではないですが、言葉で言うよりも楽しく、自分の人生やまわりの環境を豊かにする経験だったように感じます。

 とはいえ、一切わたしは実家に泊まっている留学生の面倒を見ていないので、4人目を預かっている実家の人々、ありがとうございます。この場にかえて感謝の気持ちを述べさせて頂きます。

*1:今年の断食月明け休暇はマレーシアに里帰りしていました。むかしのホストファミリーとわたし(写真左)ホストファミリーはロータリアン、地元の名士。マレー系。Datoの称号を持ち、マレーシア内でもトップ2か3のセキュリティ会社を経営するラザリさんと、モスクの礼拝所に車いすの人でも出入りできるよう整備を検討しているザイトゥンさん。五人の子どものうち、3人はロータリーの交換留学生として日本と米国に派遣されました