牛殺しの儀式イドゥル・アドハ
年末が近いということで、「年末いつ帰ってくるの?」「お正月はいつごろまでいるの?」と本国から声をかけて頂いていますが、まさか年末には帰りません。わたしはインドネシアで働いているので、インドネシアの暦に基づいて生活しています。日本では仏教でも神道でもない、日本式の暦がありますが、イスラム圏では、イスラム式に基づいて休日が決まります。日本ではおやすみでも、インドネシアではおやすみじゃありません。逆に、インドネシアでおやすみだけど、日本ではおやすみでないとうことはしょっちゅうあります。
イスラムの二大儀式が「イドゥル・フィトリ(断食明け大祭)」と「イドゥル・アドハ(犠牲祭)」です。
イドゥル・フィトリは断食月を終えた後のお祭りで、日本でいうお正月とお盆をあわせたように、親戚中が集まりいつもお世話になっている人にあいさつをしたり、祖先のお墓を掃除したりします。
11月6日は、もう一つイスラム的ビッグイベントの「イドゥル・アドハ」が祝われました。ここでは、地域のある程度コミュニティ形成に影響力を持つような多きめのモスクが、牛や山羊をイスラムのやり方に則った儀式で生け贄として地域のみんなの前で殺し、みんなで食べるというイベントです。牛はみんなの募金で買うか、お金持ちの人が買って寄付します。イスラムの国々の人たちは少なくとも年に一回は公開と殺を見て成長します。飽食の国ニッポンにもこの毎年公開と殺見学やればいいのに、と思ってしまう。「いただきます」に力が入るようになるのに。
動画でIdul Adhaと探せばいっぱい出てきます。
グロ画像注意ですが下の方に写真のせていきます。
ということで、日本に住むムスリムの方々が日本の常識と日本の暦に従ってそこらで公開と殺をしないよう、わたしはインドネシアでインドネシアの暦通りの年末を送ります。
以下グロ画像注意
ひもを引っ張って無理矢理連れてこられた牛。背中には番号書いてあります。
首からどくどくと鮮血が流れます。鳥居の赤のような、絵の具のような色です。
イスラムのやり方に則って、腸につまった糞は洗い流します。
肉は合計6000世帯分になるよう分けるそうです。
*1:前の日の夜の様子。子どもが牛を見に来ている。トラック2台分、44頭の牛と17頭の山羊が連れてこられました